京都女子大学 児童学科 深見ゼミ
10びーんず。
改善すべき「間」を埋める方法
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司会による曲紹介などの言葉
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BGMを流す
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楽器でリズムを入れる
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BGM+司会
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楽器+司会
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すぐできる簡単な手遊び
以上6点が「間」を埋める方法として有効だと考え、コンサートに取り入れ改善を行いました。
改善の軌跡
コンサート中の楽器紹介の動画を取り上げ、改善の軌跡を紹介します。
(2016年7月14日 人形劇フェスタ)
メンバーを海の生き物に例えるなど、子どもを惹きつける努力はしていますが、ぎこちなさが出てしまっています。
また、進行が単調で子ども達が飽きてしまう恐れもあります。不慣れで見ている人をハラハラさせてしまうような「間」も生まれてしまっています。
(2017年7月28日 学内公演)
全体を通して「1.司会による言葉」で「間」を埋めながら楽器紹介を進めています。しかし、動画 01:07~ 電子ドラム、エレクトーン、ハンドソニックの楽器紹介時に、司会者が楽器の説明をしている時からドラムやエレクトーンを鳴らすことでメリハリがつき、期待感を生み出しています。ここでは「5.楽器+司会」を取り入れて「間」を埋めています。
また、司会者が一人になり以前に比べて進行がスムーズになりました。
しかし、京都女子大学の学生に本コンサートの「間」についてアンケートを取った結果、
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「間」は短く感じる
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進行が単調である
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次々進んでいってしまうので子どもがついて行けないのではないか
という意見が複数見られました。
「間」を埋めるという点では改善がされていますが、観客である子どもとの間に壁があるという課題が残りました。
(2017年8月28日 小松谷保育園公演)
アンケートを参考にし、子どもに問いかけたり、子どもの発言を拾ったり、コミュニケーションを取ることで「間」を埋める方法を取り入れました。
動画02:30~ これまでは楽器を紹介する際、「この楽器は○○です。みんな知ってるかな?」という言い回しをしていましたが、ここでは「あのお姉さんの楽器見たことある?」と質問形式の言葉かけをしています。言葉かけの方法を工夫して「間」を埋めることで、進行がスムーズになるだけでなく、子ども達も楽しんでコンサートに参加できていますね。
「間」を埋める方法として挙げていた「1.司会者の曲紹介などの言葉」では想定していなかった「7.臨機応変に子どもたちと直接コミュニケーションを取る」方法がここで生まれました。前回の課題であった、子どもたちとの壁はなくなり、アットホームな雰囲気が出ています。
まとめ
私は「間」に注目した当初、ぎこちない「間」や観客を待たせてしまう「間」をどうにか改善しなければ…という思いで上記の6点の「間」を埋める方法を考え実践しました。それで良くなった部分ももちろんありますが、これまでの実践を通して私が感じたのは、子ども向けコンサートでは、子どもとのコミュニケーションを取りながらコンサートの進行を行うことが一番大切であるということです。私たち“10びーんず。”はただ、上記で挙げた改善すべき「間」を埋めることでスムーズに進行を終えることが目的ではありません。子どもたちに楽しんでもらえることが第一の目的です。このことに改めて気づいた時、初めの段階では想定していなかった「7.臨機応変に子どもたちと直接コミュニケーションを取る」ことで「間」を埋める方法が生まれ、それをいかに自然に取り入れられるかが重要だと分かりました。
今回の研究をもとに、今後同じような活動をしていく方々の参考になれば幸いです。
参考資料